オーストリアはÖsterreich=エスターライヒ、すなわち「東の王国」「アジアの始まる場所」と呼ばれました。 オーストリアの東端に位置する首都ウィーンは「東と西が出会う場所」と言われ、アジアの文化と西欧の文化が混交した都市です。また、近代建築が最初に花開き、20世紀の現代建築に大きな影響を与えた街でもあります。現在、私たちが目にするモダン建築の全ての源流はウィーンにある、と言っても過言ではありません。
今回はその源流となった、建築の数々を探訪するとともに、その建築を彩ったデザインについてお話し致します。
ピアノ演奏 石黒 雅子
ベートーヴェン ピアノソナタ第8番「悲愴」第二楽章
シューベルト=リスト セレナーデ
ウィーンの建築探訪
1.Steinhof Church(シュタインホフ礼拝堂)
2.Purkersdorf Sanatorium(プルーカスドルフサナトリウム)
3.Kerlzplatz Pavilion(カールスプラッツパビリオン)
4.Postal Saving Bank(オーストリア郵便貯金局)
5Cafe Museum(カフェ・ムゼウム)
6.Secession(セセッション)
7.Loos House(ロースハウス)
8.Pilgram Gasse(ピルグラムガッセ駅舎)
9.Loos Bar(ロース・バー)
10.Villa Wagner 1(ワグナーヴィラ 1)
11.Karl Marx Hof(カールマルクスホフ)
12.Villa Primavesi(プリマベージ邸)
13.Stonborough Wittgenstein House
(ヴィドゲンシュタイン姉邸)
14.Karl Seitz Hof(カール・ザイツホフ)
建築を彩るウィーン工房
1.ウィーン工房の歴史
2.構成するブランド
・ロブマイヤー(ガラス)
・アウガルテン(陶磁器)
・バックハウゼン(布地)
・ベーゼンドルファー(ピアノ)
・ WOKA(照明器具)
講演:建築家 中村 義平二(なかむらぎへいじ)
福岡県出身。東京藝術大学建築科修士課程終了後、磯崎新アトリエに勤務。大阪万国博基幹施設、福岡相互銀行本店の設計に携わる。磯崎新アトリエ退職ののち、株式会社空間構造を設立。建築設計のかたわら大手企業の商品開発・コンセプトメイキングおよび工業化住宅の開発に携わった。1970年代の初頭から度々ウィーンおよび東欧諸国の建築探訪を行い、ウィーンセセッション(ウィーン分離派)に傾倒し、Living Design Center OZONEで「トーネットとウィーンデザイン展」を開催した。また、Bösendorfer社主催の国際デザインコンペで一等賞を受賞した。
ピアノ演奏:石黒 雅子(いしぐろまさこ)
東京都出身。愛知教育大学音楽科卒業。庄司知子、八重口敬子、栗原一身、山城浩一の各氏に師事。92年より平尾はるなピアノアカデミーに在籍。1996年ピアノデュオリサイタル、1997年「20世紀のエスプリ」2004年「森への憧憬」と題するジョイントコンサートを東京と名古屋にて開催。1993年より毎秋「グループピアニスツ マラソンコンサート」に出演。2005年にはウイーンのベーゼンドルファー・ザールにてのコンサートに出演。